女性の場合、あまり症状が出ません。たとえ症状が出ても、わずかにおりものがあったり、不正子宮出血や下腹部痛が出る程度で、感染をそれと自覚出来ないことが殆どです。 また腟・子宮のみでなく、尿道にも感染がひろがり、膀胱炎症状を出すことも時々あります。
放置されている間に、関係した男性パートナーヘの感染源となるのは当然のことですが、感染は本人の気づかないうちに子宮頸管内を通過して卵管に入り、頸官炎を起こしたり、 さらに骨盤内に大きくひろがって、“骨盤内感染症”をおこします。 そのために卵管がつまり、卵の通りが悪くなり、かなりの人が、数年のうちに、治り難い卵管の通過障害による不妊症となってしまいます。 また、たとえ妊娠しても“子宮外妊娠”となることもあります。また、感染がさらに腹腔を上行して肝臓の周囲に炎症をおこして、右の上部脇腹に強い痛みをともなう事もあります。
さらに、たとえ妊娠したとしても、流産・早産をおこすこともあり、ことに切迫流産のため、低体重児が生まれることが多いことが注目されています。 さらに幸い無事出産したとしても、母子感染をおこして、新生児が眼瞼結膜炎や中耳炎をおこしたり、また“重篤な新生児肺炎”の危険性も少なくありません。
このように、クラミジア感染はあまり目立たない形でありながら、かなり女性の“性の健康”を犯す、大変重大な問題となっております。 この様な症状が現れたときには早めに産婦人科医とご相談ください
現在もっとも多い性感染症です。クラミジア・トラコマティスというウイルスで、昔“眼のトラコーマ”として大流行していたものですが、 今や性的な接触で性器、尿道、口、目などの粘膜に感染する“性器のトラコーマ”となってひそかに大流行しています。 口唇を使ってのオーラル・セックス(フェラチオ)でも感染します。
2~3週間
症状は淋病に似ているが、軽度
(男性)
・約半数に排尿困難、排尿時の痛み。
・尿道口より最初は薄く次第に濃くクリーム状の膿が出る。
・前立腺炎、副睾丸炎を起こすこともある。
(女性)
・約2割に、おりものの増加や下腹部痛が見られる。
・きわめて症状が軽く、感染症例の5人に1人しか症状が出ません。
・進行すると子宮、卵管と炎症が進み不妊の原因となることもある。
・分泌物をとって調べたり、血液検査で診断することができる。
・クラリスやジスロマックなどの抗生物質を使って1~2週間の治療を行う。
・治癒したとしても、免疫が出来るわけではないのでもしパートナーが感染していれば再び感染(ピンポン感染)する事もあるので注意を要する。最近ではこれらの抗菌剤にも耐性を示すクラミジアも増えています。